デニム好きの友人から「デニムのカーテンを作ってほしい」との要望あり。「色々あるでしょうよ」と返したところ、薄地のものやプリントのデニム風なるものはあっても、マニアが納得する本物の生地を使ったカーテンがないらしい。かく言う私も結構なデニムユーザーですので、ならうちで作ってみるかとなり、まずはデニムについていろいろ調べてみました。
【デニムの定義】
染料で染めた10番手以上のタテ糸と、未晒し糸(染色加工をしていない糸)で、タテ2~3本ヨコ1本の割合で
綾織りにした、綿が主素材の厚地織布。
【名前の由来】
フランス南部のニーム地方で織られていた生地を総称して、Serge de Nimes(セルジュドゥニーム)と呼ばれていました。「ニームの」を意味する「ドゥ ニーム」というフランス語が、デニムの語源。18世紀にこの生地がイタリアを経由してアメリカ大陸に渡り、19世紀にリーヴァイ・ストラウスによって一躍メジャーになったと言われています。
【生地の厚さ】
オンス(OZ)という「重さ」で表現することが多い。オンスとは1
平方ヤード= 0.84
m2の生地の重さを表したもので、1オンス = 28.3495g。10オンス以下のものを「ライトオンス」。10~14オンスのものを「ミドルオンス」「レギュラーオンス」。15オンスを超えるものは「ヘビーオンス」などと呼ばれます。
【特徴】
とにかく丈夫。そしてなんといっても洗濯や経年変化による色落ちや馴染みを風合いとして楽しめるところでしょう。一般的な生地は色落ちや汚れ、傷によって価値が下がりますが、デニムは逆にダメージによって価値が上がることもあります。
画像は「私のリーバイス」より https://www.mylevis501.com/
リーバイスについて非常に深い造詣と愛情を感じることができる素敵なサイトです。
【ダンガリーとの違い】
デニムはタテ糸が色糸、ヨコ糸が白糸なのに対し、ダンガリーはタテ糸が白糸、ヨコ糸が色糸と逆になります。元々は薄手の綾織が主だったダンガリーですが、最近は平織も増えています。
【デニム、ジーンズ、ジーパン 何が違う?】
「デニム」は「生地」そのものを指します。
「ジーンズ」は、「デニムなどの厚手素材の生地を使ったパンツ」のこと。
「ジーパン」は、「ジーンズ」+「パンツ」の和製英語。
ちなみに「ジージャン」も「ジーンズ」+「ジャンパー」の和製英語なので海外では通じません。
【岡山や広島がデニムの産地として有名なのはなぜ?】
岡山県井原市、倉敷市や広島県福山市といった備中備後地域は、もともと厚地織物の産地でした。ところが昭和27年以降、学生服の生地が急速に綿から合繊に切り替わっていったことで需要が減り、そこで非・合繊の生地工場や縫製工場が自分たちの強みを活かしてジーンズの製造に舵を切ったことが「デニムの岡山・広島」が誕生したきっかけと言われています。
画像は「繊研ジョブ」より https://job.senken.co.jp/