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【特集】リネン(麻)生地を比較してみました。

2023/06/02

【特集】リネン(麻)生地を比較してみました。


吸水吸湿・発散性に優れ、静電気を起こしにくく、天然繊維のなかでも強度のある「リネン」。赤ちゃんにも安心してお使いいただくことが出来、近年ではSDGsとしても注目の素材です。通年ご愛用いただける素材ではありますが、“リネン(麻)=夏”のイメージを持たれることが多いせいか、これからの季節は特にお問い合わせを多くいただきます。

「麻」と言ってもリネン(亜麻)やラミー(苧麻)、敷物などに使われるジュート(黄麻)、ヘンプ(大麻)など種類は様々。素朴な風合いと雰囲気のあるファブリックのため人気の高い素材となりますが、写真を見ただけではその違いは判断しにくいもの。今回はFIQで取り扱いのあるリネン(亜麻)を使用したファブリック5種類「60リネン」「ナトゥーラ」「リンネル」「フランドル」「ヴェッキオ」をピックアップし、風合いや素材感を見ていきます!


 

まずは生地それぞれの特徴をご紹介します。
 

60リネン

60番手の糸を使用して織られていることから「60リネン」。シンプルでわかりやすいネーミングです。こちらは「麻のベッドリネン」で使用されている生地となります。「60番手」とは糸の太さを表す番号で、糸が太いほど番号が小さく、糸が細いほど番号が大きくなります。リネン生地で多く使用されるのは40番手の糸のようですが、「20番手を使用した糸で織られた生地は厚手なの?」と問われると一概にはそう言えず、織機での打ち込みが浅かったり(糸と糸の間に隙間があるような生地)、織の組織によって様々。「60リネン」は平均値よりも細い番手を使用していますが、打ち込みがあるため透け感はそこまで感じません。つまり肌に触れることの多い寝具には適した生地と言えるでしょう。

 

ナトゥーラ

2023年6月現在で51色もの豊富なカラーバリエーションがある「ナトゥーラ」。HA90と呼ばれるソフト加工を施し、長く大切に受け継がれ使い込まれてきたような、くたっと柔らかで肌に馴染む上質な質感をお楽しみいただけます。FIQでは様々なオーダー商品はもちろんのこと、「麻のクッション・ザブトンカバー」や「麻のテーブルクロス(既製)130×230cm」といったアイテムでお取り扱いをしているため、ご存知の方も多いのではないでしょうか。

HA90・・・生地をSolusoft UPと言うソフト加工薬剤に浸し、イタリア製Bencolani Aire1000と言う機械を使用して約90分間乾燥させて生地を柔らかくし、雰囲気のある風合いに仕上げています。


 

リンネル

フランス産の原料で糸を紡ぎ、日本国内で織られたリネン(亜麻)100%の生地にふんわりした手触りが得られるエアタンブラー加工を施した「リンネル」。「麻(リネン)の縁取りカーテン」「麻(リネン)の縁取り暖簾(のれん)」「麻(リネン)の縁取りテーブルクロス」でお取り扱いしています。

 

フランドル

ベルギーのMeulebeke(メルベケ、ミューレベーケ)にあるLIBECO(リベコ)社の高品質なベルギーリネンを使用した、フランケンワークスの「フランドル」。シンプル&ベーシックでありながら高級感漂うリネンファブリックです。リネン特有のハリ感と清涼感のあるさらりとした心地良い肌触りはもちろん、しっかりとした厚みと確かな手触りから品格の高さを感じ、例えば「オーダーカーテン」や「シェードカーテンダブルシェードカーテン)」へお仕立てした際の雰囲気ある佇まいは別格。ベルギーリネンは何世紀にもわたって蓄積されたリネン産地としての固有の知識・伝統的な職人技をもとに世界的に評価されています。

 

ヴェッキオ

経糸に25番双糸引き揃え、緯糸に15番双糸を使用した日本製の厚地リネンです。「リンネル」と同様にエアタンブラー加工によって柔らかさとヴィンテージ感を表現し、タテ糸・ヨコ糸ともに双糸(そうし)を使用することで強度があり毛羽落ちの少ない洗練された表情となっています。写真ではわかりにくいかと思いますが、今回ご紹介する生地の中ではリネン特有の光沢感が一番際立ち、その品質の高さから「クッションカバー」をリピートでご注文されるお客様も少なくありません。

 



◆並べて比較してみました

左:リンネル、右:60リネン





写真だと殆ど差を感じませんが「リンネル」は40番手の糸を使用して織られており、糸の節やネップが「60リネン」よりもやや目立つようです。双方の生地に触れてみると、「60リネン」の方が薄手であると感じます。

 

左:リンネル、右:ナトゥーラ



「リンネル」と比較して「ナトゥーラ」の方が太番手の糸で織られており、リネンのざっくりとした風合いをより感じます。

ところで「リンネル」にはエアタンブラー加工、「ナトゥーラ」にはHA90加工と呼ばれるソフト加工がそれぞれに施されています。生地が異なるため、そもそも比較したところで参考にならないかもしれませんが、
・リンネル:ナトゥーラよりは張りがある。リネン(麻)のさらっとした柔らかさ。
・ナトゥーラ:長年使い込まれたような、ヴィンテージ感のあるくたっとした柔らかさ。
このような違いを感じます。

 

左:ヴェッキオ、右:ナトゥーラ





お次は「ヴェッキオ」と「ナトゥーラ」。違いは一目瞭然です。生地を持った時の重みも異なります(「ヴェッキオ」の方が重い)。どちらもリネン生地に違いはありませんが、「ヴェッキオ」は光沢感と生地の強度、「ナトゥーラ」は軽やかな雰囲気と51色ものカラーバリエーションが魅力的です。
 


左:ナトゥーラ、右:フランドル





生地のざっくりとした感じは似ていますが、「フランドル」の方が太番手で厚地です。肌になじみやすい「ナトゥーラ」は、日常使いや柔らかさを求める方に。しなやかなハリ感の「フランドル」はスタイリッシュでラグジュアリーさを求める方におすすめです。

 

左:ヴェッキオ、右:フランドル



どちらも目の詰まった厚手のリネン生地ですが、「ヴェッキオ」はタテ・ヨコ糸共に比較的均一な糸の太さでリネン特有の光沢感を、一方「フランドル」は凛とした張り、ざっくりとした風合い、ナチュラルなネップや節が、素朴で暖かみのある雰囲気を演出します。

 

 

以上の結果をまとめると、

・生地の厚み
← 薄手  60リネン ・ リンネル ・ ナトゥーラ ・ フランドル ・ ヴェッキオ  厚手 →

・番手
← 細番手  60リネン ・ リンネル ・ ナトゥーラ ・ フランドル ・ ヴェッキオ  太番手 →

・雰囲気
← カジュアル  ナトゥーラ ・リンネル、60リネン ・ フランドル・ヴェッキオ  ラグジュアリー →

といったところでしょうか。

ご説明した通り、ひとくちに「リネン(麻)」と言っても雰囲気や質感は様々。お部屋や空間に適した生地をお選びいただき、自然素材であるリネン(麻)のある暮らしを生活に取り入れてみませんか。生地サンプルお貸出しサービス、直営店FIQ自由が丘(予約制)では大判サンプルもご用意しており、ご覧いただくことが可能です(60リネンを除く)。こちらもぜひご検討ください。


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