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【コラム】縫い目の向こう側へ ― FIQのカーテンを仕立てる縫製工場を訪ねて

2025/05/16

【コラム】縫い目の向こう側へ ― FIQのカーテンを仕立てる縫製工場を訪ねて


FIQのオーダーカーテンシェードのれんカフェカーテンテーブルクロスやその他カバーリングアイテムは、ご注文いただいたサイズに合わせて、すべて1センチ単位でお仕立てしています。
縫製は、長年にわたりFIQの製品づくりを支えてくださっている提携工場の職人さんが、1枚ずつ丁寧に仕上げています。

何年経っても変わらぬ真摯な姿勢で、心を込めて取り組んでくださる職人の皆さん。
その安定した美しい仕上がりに、FIQとしても深い信頼と敬意を抱いており、いつも頭が下がる思いです。

では、そうした縫製がどのような環境で行われているのか。今回は、FIQと長くお付き合いのある提携工場のひとつをご紹介します。
 

大阪府大阪市。梅田や難波といった繁華街からもそう遠くない場所構える縫製工場では、FIQオーダー製品多くが、日々丁寧縫製ています。

作業環境は清潔に保たれ、道具や設備にも丁寧に手入れがされています。プロからすれば商売道具なので当たり前と言われてしまいそうですが、糸くずひとつ見当たらないその整った空間からは、ものづくりに対する意識の高さが伝わってきます。


大柄が多い北欧ファブリックは、模様の出方によって印象が大きく変わることがあります。そのため、柄の位置やバランスにこだわってご注文されるお客様も多くいらっしゃいます。そうした繊細なご要望にも、物理的に難しい場合を除いて、可能な限り柔軟な対応をしてくださる姿勢は、FIQにとって非常に心強い存在です。



工業用のミシンは用途によって使い分けられいています。



上の写真はカーテンの丈決め機。皆さんご存知の通り、カーテンは吊って使うもの。台の上において裁断すると、生地の重みで仕上がり丈に対し数センチの誤差が出ます。この機会に布をセットし、吊って裁断する事で、仕上がり寸法の精密さを出します。下の写真の機械は、生地端から順に自動縫製し、カーテン上部のヒダを自動で縫いあげる専用ミシン。





自動化が進んだ現在でもこれらの機械を使いこなすには、確かな縫製技術と、長年の経験で培われた知識が欠かせません。機械の力を借りつつも、実際の縫製や細かな調整には、職人の技と経験が今なお重要な役割を果たしています。

こちらの縫製工場では、FIQ製品だけでなく、ホテルや学校といった公共施設向けのカーテンなど、幅広い縫製にも対応されています。大阪の某アミューズメントパーク内にある “あの有名な魔法魔術学校” のカーテンも縫製したことがあるのだとか。原作や映画に親しんできた私にとって、思わず胸が高鳴るようなお話です。同時に、多くの人の目に触れ、空間の印象を左右する製品だからこそ、高い品質と常に安定した仕上がりの精度が保たれていることがうかがえます。
 

FIQでは、無地カーテンに加え、大胆な柄や複雑な模様、個性的な風合いを持つ生地も多く扱っています。そうした生地は、縫製にも工夫が求められることが多く、縫い手側からすれば扱いにくいと感じることがあるかもしれません。また、昨今では「安さ」「早さ」を売りにする既製品などがシェアを広げている点や、窓辺にカーテンやシェードをつけないご家庭も増え、縫製の現場を取り巻く環境は決して楽ではありません。

それでもなお、一枚一枚に真摯に向き合い、丁寧に仕立ててくださる職人さんたちがいるからこそ、「メイド・イン・ジャパン」と呼ばれるモノづくり、高品質な日本の縫製技術が、今日にわたって世界から高く評価され続けているのだと感じます。



ご紹介した縫製工場で仕立てられたオーダーカーテン暖簾(のれん)テーブルクロス


FIQではこれからも、心を込めて仕立てた一枚をより多くの方に楽しんでいただけるよう、ファブリック製品の魅力を発信してまいります。
 

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