「今週の生地」第8回目はスウェーデンを代表するデザイナーの一人、STIG LINDBERG(スティグ・リンドベリ)がデザインしたテキスタイル「HERBARIUM(ハーバリウム)」をご紹介いたします。
HERBARIUMは「植物標本」の意味を持ち、その名の通り色とりどりのさまざまな植物が生地いっぱいに描かれています。陶器や家具などで知られるスティグ・リンドベリですが、HERBARIUMは1940年代に初めて手掛けたテキスタイルデザインのひとつで、今でも多くの人々に愛され続けています。
HERBARIUMに描かれているのは、スウェーデンの夏の植物。画像のマルチカラーの生地はベースの白い生地にブルーやオレンジ、イエローなどの色が映えてとても華やかな印象です。よく見ると、模様や葉脈などが描き込まれていて表現も細やか。まさに標本のようです。
画像左:クッションカバー【限定コレクション】HERBARIUM グリーン(45×45cm)
画像右:クッションカバー【限定コレクション】HERBARIUM ネイビー(45×45cm)
色違いのグリーン、ネイビーの生地にも背景の色に映えるカラーで植物が描かれており、とても綺麗です。
スティグ・リンドベリは、スウェーデンの陶磁器メーカーであるグスタフスベリに入社し、アートディレクターとして活躍しました。彼の代表作の一つにスウェーデン語で葉っぱを意味する「BERSA(ベルサ)」などがあり、シンプルで使い勝手がよく遊び心のあるデザインは、現在でも世界中で愛されています。陶磁器だけではなく、絵本の挿絵やテキスタイルデザイン、彫刻などさまざまな分野において多くの素晴らしい作品を残しています。日本では1959年にデザインされた図案が西武百貨店の包装紙やショッピングバッグ、ギフトボックスなどにも展開されていたこともあるそうです。
画像:北欧ブランドの生地 FRUKTLADA グリーン
画像はスティグ・リンドベリのデザイン「FRUKTLADA(フルクトラーダ)」。フルーツがびっしりと並んだテキスタイルには、虫が果実を食べてしまっているモチーフも含まれており、遊び心にあふれた楽しいデザインです。