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【コラム】ロンドン日記#8・ムーミンとイギリスのお話

2020/04/09

【コラム】ロンドン日記#8・ムーミンとイギリスのお話


FIQではムーミンの新作ハンカチが仲間入りしました。拾ってきたタネを蒔いたら生えてきた不思議な植物の上で、過ごすムーミンやミイたち。かなり混乱しながらも皆んなマイペースにそれぞれ楽しんでいるみたいです。
ムーミンの新作ハンカチはこちらから

 

さて、今日はそんなFIQでも人気のムーミンとイギリスのお話をしたいと思います。


ムーミンの生まれたフィンランドとイギリスは、飛行機で3時間ほどの距離。ご近所の国で生まれたキャラクターだし、きっと日本よりももっとイギリスではムーミンは人気に違いない・・・と思っていました。しかし、イギリスにはムーミンショップは2店舗のみ。ムーミンパークや多くのムーミンショップのある日本の方が圧倒的にムーミンが人気のように感じます。でも、本屋さんには必ずといってもいいほど小さなムーミンのスペースがあったりとイギリスの多くの人々にとって身近なキャラクターとして愛されている印象を受けます。




 

そこでイギリスとムーミンの関係を調べてみると、実はとても深い関係があったのです。ムーミンの作者トーベ・マリカ・ヤンソンは1914年8月9日、フィンランドの首都ヘルシンキに生まれました。彫刻家の父とグラフィックアーティストの母に育てられ、幼い頃から芸術家を天命と考えていたトーベが初めてムーミンと似た姿形のキャラクターを描いたのは1943年、15歳のときから寄稿しているスウェーデン語系風刺雑誌『ガルム』のイラストの片隅でした。そして1945年、ムーミン小説の第1作『小さなトロールと大きな洪水』出版されましたが、発行部数はわずかで、初版で絶版となったきり、1991年まで再版されない「幻の作品」だったそうです。1948年には小説第3作『たのしいムーミン一家』が出版され母国フィンランドと隣国スウェーデンで大きな評判になりました。1950年にはこの小説がムーミンシリーズのなかで初めて英訳され、児童文学王国イギリスで出版されたのです。


そして北欧からきた奇妙ないきものたちのお話は、たちまち目の肥えたイギリスの読書人たちの心を掴み、思いがけない大ヒットとなったのです。

 

さらにそれをきっかけとして1954年に始まった、当時世界最大の発行部数を誇ったロンドンの夕刊紙 「イブニングニュース」での漫画連載が、ムーミンの人気を決定づけました。イギリスにとどまらず、その年のうちに早くもスウェーデン、デンマーク、そして母国フィンランドの新聞に、さらに最盛期には40カ国、120紙に転載されたほどでした。漫画で火がついたムーミンの人気は、すぐにオリジナルの児童文学シリーズも及びました。次々に各国語に翻訳され、イギリスばかりでなくヨーロッパ中で人気と同時に高い評価を獲得していきます。トーベは児童文学作家としての国際的な名声を不動のものにしました。(ムーミン公式サイト引用 https://www.moomin.co.jp)


こんな風に、ムーミンの歴史にはイギリスが大きく関わってきたことがわかります。


 

少し前にコヴェントガーデンにあるムーミンショップに行きました。コヴェントガーデンはロンドンの中心地にある、様々なショップやレストランが並ぶマーケット。アーチ型の高い天井のその建物は、イギリスらしい素敵な建物です。

 

マーケットの1階にムーミンショップがあります。水色の看板がとても可愛らしく、2階にある店内までの階段は物語の中に入り込んでいくようなつくりになっています。

 

小さな店内にはぬいぐるみや本、お皿やコップ、子供用のお洋服やおもちゃまでぎゅっと詰め込まれていました。ひとつひとつのセレクトがとても洗練されていて、ヘルシンキで見た明るい雰囲気のムーミンショップとはまた一味違い、少し落ち着いた味わい深い雰囲気です。特にお皿やカップ等の食器類のバリエーションが豊富で、いくつも欲しくなってしまいます。



店内を見ている人たちも、ゆっくりと時間をかけてその空間や商品を楽しんでいるように感じました。

 


ムーミンはイギリス人にとって特別なものであり、ご年配の方にもなじみ深いキャラクターであるのではないかと思います。ムーミンのこれまでの歴史や、文具屋さん・本屋さんにひっそりと並ぶムーミンの商品がそれを物語っているかのようです。

 


こちらは3月中旬、ロックダウン前のロンドンの様子。街は桜が満開でした。

 
ヨーロッパではコロナウィルスが拡大しつづけています。イギリスでも3月23日に外出禁止令が出されました。スーパーは入場規制が始まり、お店の前には人々が距離をとって列をつくっています。バスや電車などの交通機関も縮小し、学校や公園・レストランやパブも閉鎖され、ロンドンの街の様子は普段からは考えられないような静けさです。日本の友人から「差別はされてない?」と心配するメールをもらいましたが、ニュースや噂で聞くことはあっても、私自身は差別を感じたことはありません。外出禁止令が出る前までは、現地の方とマンションで顔を合わせれば挨拶を交わし、娘に笑顔で声をかけてくれました。人との距離を2m以上保つことを決められている今は、そんな光景さえも見られなくなってしまいました。そんな中、スーパーでは高齢者や医療従事者のみが利用できる時間帯を設けています。またNHS(国民医療サービス)を支援するボランティアに応募した人が75万人に達しているそうです。そして、毎週木曜日の夜8時になると、家の外から大きな拍手の音が聞こえてきます。窓を開けてみると、沢山の人々が玄関や窓を開け、医療に関わる全ての人に感謝の拍手を送っているのです。


イギリスに渡英しコロナが拡大し、色々なことを考えさせられる日々のなかでイギリスの人々の結束力の強さや人に対する優しさを、今とても感じています。様々な情報が飛び交い何を信じればいいのか戸惑う日々の中で、こうして変わらず綺麗な花を咲かせる桜を見るとどこかほっとすると共に、すべての国に日常が戻ることを願わずにはいられません。


※ 木曜日の拍手の動画をアップしましたのでご覧ください。↓
 

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