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【コラム】今週の生地 VOL.20 BIRDLAND

2025/05/03

【コラム】今週の生地 VOL.20 BIRDLAND

今週の生地 第20回目は『BIRDLAND(バードランド)』です。



 

スウェーデンの老舗テキスタイルブランド BORAS COTTON(ボラス・コットン) を代表するプリントファブリック『BIRDLAND』。デザインを手掛けるのはテキスタイルデザイナー / イラストレーターの Ann-Cathrine Sigrid Ståhlberg(アン=カトリーヌ・シグリッド・ストールベリ)です。

ストールベリさんは、1988年にスウェーデン ボロース大学のテキスタイル科を卒業後、ボラス・コットンに契約デザイナーとして数年間勤務し経験を積み、その後フリーランスへと転向。以降15年以上にわたり、IKEAやAlmedalsといった数々の企業へデザインを提供し活動しています。


※アン=カトリーヌ・シグリッド・ストールベリさんがBORAS COTTONで手掛けた『BIRDLAND』以外のファブリック。写真右手に写り込んでいるのはご本人(https://borascotton.se/en/より)

『BIRDLAND』は、2002年に発表されたBORAS COTTONのロングセラー生地。今日の北欧生地を代表する定番柄のひとつとも言えるでしょう。カーテン、シェード、ファブリックパネルなど、FIQでもこれまで多くのお客様に『BIRDLAND』を使ったインテリアアイテムをご提供してまいりました。

豊かな植物や水の流れる場所に、幸せの青い鳥と赤い鳥が自由に飛び回ったり、枝に止まって景色を眺めている図案。ストールベリさん曰く、“I wanted to make a classic cretonne pattern and give it the nordic touch of purity in colour and shape.(クラシックなクレトン柄*をデザインしながら、色と形に北欧らしい清らかさを加えたいと思いました)”とのこと。
※クレトン柄…カーテンや張地等のインテリア生地に使用され、大きな花柄や植物柄などがプリントされた厚手の生地。





北欧ブランドのカーテン北欧と日本ブランドのペンダントライト(Φ60×H25cm)

「色と形に北欧らしい清らかさを加えたい」と語るストールベリさんの言葉どおり、BIRDLANDには澄んだ空気感が漂っています。大胆な配色でありながら、決して主張しすぎず、空間にすっと馴染むのは、この“清らかさ”があるからこそかもしれません。

 
 

北欧デザインの魅力は、シンプルさと機能性、そして自然体の美しさが共存しているところにあります。大胆さはあれど華美な装飾を避け、素材本来の風合いやかたちを大切にしながら、心地よく整った空間を生み出していく。その根底には、厳しい自然環境の中でも暮らしに豊かさと温もりを求める、北欧の人々の知恵と感性があります。

こうしたデザイン哲学は、インテリアの枠を超えて、暮らし方そのものにも影響を与えてくれます。たとえば、余計なものをそぎ落とし、本当に必要なものだけを丁寧に選ぶこと。お気に入りの一枚を長く大切に使うこと。『BIRDLAND』のような北欧テキスタイルを暮らしに取り入れることで、こうした豊かな価値観が、私たちの日常の空間づくりにもそっと根づいていくような気がします。





■今週の生地 VOL.20 BIRDLAND
生地幅:145cm
リピート:62cm
組成:綿100%
ブランド:BORAS COTTON(ボラス・コットン)
デザイン:Ann-Cathrine Sigrid Ståhlberg / アン=カトリーヌ・シグリッド・ストールベリ



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