ヘルシンキ旅行記 前編はこちらから→https://www.fiq-online.com/newsDetail.php?id=zH0euZaUZYdeakgw1De5hkuw
ヘルシンキ旅行三日目の朝、早速念願だったマリメッコ本社にあるアウトレットへと向かいました。宿泊していたホテルからバスを乗り継ぎ1時間ほどで到着です。(ヘルシンキ中心地からは地下鉄で30分ほどで行くことができます。)
本社内にあるアウトレットで、まずはお土産選びから。店内には日本人観光客が多く訪れていて、日本でのマリメッコの人気を感じさせます。多くのアウトレット商品と共に、正規価格の新商品や定番商品も販売されています。服やバッグ、食器やベッドリネン、キッチンアイテム等豊富な商品が広い店内にディスプレイされています。中でも目を惹くのは、大量の生地の原反が並んでいるスペースです。色鮮やかなマリメッコの生地が積み重なっている中からお気に入りを見つけるのは、まるで宝探しをしているかのようにワクワクします。夢中で店内を何度も何度も見て回り、ふと気が付くといつのまにかお昼ご飯の時間になっていました。
ランチは、もう一つのお楽しみだった社食「maritori(マリトリ)」を利用しました。マリメッコのトレーや食器に好きなサラダや前菜を自由に取り、メインディッシュをオーダーします。ミーハーな私は、ここでマリメッコのデザイナーは食事をとるのかな、と妄想をしながらフィンランドのカラフルな野菜や、美味しいブルーチーズ、熱々のミートボールを楽しみました。
すっかり満足して、午後はヘルシンキ中心地へ戻り、トラムで市内を観光しました。ヘルシンキ旅行にかかせないのがこの「トラム」。ヘルシンキ地域交通局によって運行している路面電車です。スマートフォンの専用アプリでチケットを購入することができ、便利で快適な交通手段です。そして0歳から6歳の子供をベビーカーに乗せて乗車する際に、ベビーカーを押している大人も運賃が無料になります。(2019年9月現在)フィンランドはとてもチャイルドフレンドリーな国だと聞きますが実際に子連れで旅行をしてみて、様々なところで子供に対しての優しさを感じる場面がありました。(ヘルシンキ地域交通局公式サイト
https://www.hsl.fi/en)
中心地に着いて街を歩いているとヘルシンキの主要駅であるヘルシンキ中央駅がありました。ミュージアムのような外観で目を惹きます。そして観光地としても有名なカンピ礼拝堂に行きました。木造の教会はモダンな外観でありながらもぬくもりを感じます。協会内は外のにぎやかな音から遮断された、無音の空間。静寂の教会とも言われているそうです。
歩き疲れた後は、フィンランドを代表するパン「シナモンロール」を食べに行きました。選んだお店は1914年創業の老舗のパン屋さん「カンニストン・レイポモ」。ぽてっとした可愛らしいフォルムにたっぷりのシナモンと砂糖を練りこんだシナモンロールは、甘さひかえめでペロリと食べてしまう美味しさでした。ちなみにこのシナモンロール、フィンランド語で「コルヴァプースティ」と呼ばれています。その意味は平手打ちされた耳という意味だそうです。その後の夕食ではフィンランドの伝統料理であるサーモンのクリームシチューを食べ、旅の3日目を終えました。
ヘルシンキ旅行の最終日は朝からイッタラ&アラビアデザインセンターへ。イッタラ&アラビアデザインセンターは革新的なクリエイティビティ、美、そして遊び心が集まる空間で、イッタラとアラビアの2つの伝統的なブランドの過去と未来を紹介している施設です。
まずは9階にあるフィンランドのセラミックおよびガラスデザインの歴史を展示しているフロアに足を運びました。展示フロアには、1873年から現在までのアラビアの陶磁器工場とイッタラのガラス工場の製品が展示されています。この空間では、フィンランドの陶磁器とガラスのデザインの歴史を感じとることができます。(イッタラ&アラビアデザインセンター公式サイト引用https://www.designcentrehelsinki.com/jp/
ガラス製品を展開するイッタラはフィンランド・イッタラ村の小さなガラス工場で生まれました。それは人々の日々の日常を明るく照らし、豊かにするものとなり、時代を超えて今に生きています。独特な個性を放ちながらも生活の中にとけこみ使いやすく、そのデザインが持つ人の個性をあらわし、決して飽きがこないものを生み出しているのです。(イッタラ公式サイト引用 https://www.iittala.com/gb/en/home)
そしてアラビアも、フィンランドで最も有名で最も愛されているブランドの1つです。 140年以上にわたり、アラビアはフィンランドの家、祝賀会、そして日常の一部でした。 美しく実用的で機能的なアラビアの食器は、世代を超えて人々に愛され続けています。
(アラビア公式サイト引用 https://www.arabia.fi/)
デザイン性と機能性を兼ね備えたモノ作りは、イッタラ・アラビアはもちろん北欧デザイン全体に感じられる魅力ではないでしょうか。
さて、1階に降りて、ショップを見て回りました。
店内は美しく食器がディスプレイされていて、イッタラのフラワーベースには花がいけてあったり、アラビアの食器を組み合わせて置かれていたり・・・・と実際に使うときのイメージが湧いてきます。
それだけではなく、陶器の絵柄のデザイン画やガラスのカラーサンプル等が展示されていて、商品のプロセスを感じながら店内を見ることができ、通常の店舗とは異なる空間でとても見ごたえがありました。
楽しい時はあっという間に過ぎ、帰国のフライトの時間が近づいてきたのでバスで空港に移動し、空港内のムーミンカフェでこの旅を思い返しました。
このヘルシンキ旅行ではフィンランドのテキスタイルやデザイン・文化に触れることができました。長く愛されるためにこだわり抜いたモノづくりとそれを長く大切に使い続ける人々、その需要と供給がぴったりと合っているかのように、ヨーロッパでは古い建物をリノベーションしたりアンティーク雑貨を好んだり、人々はモノを大切に長く使い続けるのです。その文化はとても素晴らしいものであり、それは簡単なように見えてもとても難しいことなのではないでしょうか。自分の生活を振り返りながらそんな風に思いました。
さて、半ば強引に家族を巻き込んだヘルシンキ旅行でしたが、家族もそれぞれの楽しみがあったようです。2歳の娘はヘルシンキのスーパーマーケットにあるキッズ用のお買い物カートの虜になり旅中は毎日スーパーマーケットへ。子供にとても優しいヘルシンキの人々が笑顔で見守ってくれるなかで、お買い物気分を楽しんでいました。夫はというと、自ら調べた絶品サーモンスープの店で食を楽しみ大満足な様子。とても楽しい家族旅行となりました。