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【コラム】ロンドン日記#1・リバティ百貨店で想うこと

2019/10/03

【コラム】ロンドン日記#1・リバティ百貨店で想うこと

はじめまして、こんにちは。
 
突然ですが今日からコラムを書かせていただく宮下です。
 
2006年に東京造形大学テキスタイル学科を卒業後、企画・デザイナーとしてテキスタイルメーカー・クォーターリポートに入社しました。今年の6月に退職し、現在は夫と2歳の娘とロンドンで暮らしています。
 
ロンドンやヨーロッパのインテリア、テキスタイル、日々の暮らしや出来事をのんびり書いていけたら・・・と思っております。
 
不定期の投稿となりますが、どうぞよろしくお願いします!
 


 




大好きだった日本でのテキスタイルの仕事から離れ、夫と2歳の娘とのロンドンでの生活が始まりました。


日本に住んでいた頃、私にとってヨーロッパは遠く離れた場所でした。だから渡英が決まった時は、楽しみよりも寂しさが勝っていた私。でも、ロンドンで過ごして2カ月が過ぎた今、日々の暮らしの中で日本をとても近くに感じています。その理由は、ロンドンは多国籍で日本人もとても多く、日本食材店や和食料理店が充実していること。インターネットですぐに日本の情報を知ることができ、テレビ電話で家族と顔を見て話せること。そして、なんといっても、日本にも進出しているインテリアショップや雑貨店・商品がロンドンの街に溢れているからです。
 

そんな風に日本での生活を身近に感じられる場所のひとつが「リバティ百貨店」です。日本でも多くの人に愛されているテキスタイルの「リバティプリント」を生み出し、世に送り出したのがこのリバティ百貨店を開いたリバティ社なのです。

ロンドンには観光地としても有名な百貨店がいくつかあります。ハロッズ・セルフリッジ・フォートナムメイソン・・・・どこも独自の個性を持ち、それぞれが全く異なる世界観を放っているように感じます。その個性派揃いの百貨店の中でも、一際目を惹く木造の建物を構えるリバティ百貨店。1875年にリバティ社によって創業されました。建材に船を解体した木材を使われている現在の建物は1924年に建てられたもので、チューダー様式のこの美しい木造建築はイギリスの第2種指定建造物に指定されているそうです。

一歩店内に入ると一面リバティプリントの世界が広っています。リバティ柄のノートや、バッグ、紅茶の缶やソーイングボックスまで。リバティの繊細で華やかな柄が店内を彩っています。



中央が大きな吹き抜けになっていて、天井から光が差し込む5階建ての店内には、リバティプリントの商品以外にもハイブランドのアパレル・コスメ・インテリア・キッチンアイテムなどイギリスのブランドを中心に洗練された商品が並んでいます。そのセレクトやディスプレイの1つ1つにもこだわりを感じ、重厚な建築物と繊細なリバティプリントの商品に心地よく調和していて、百貨店ではなくミュージアムにいるかのような感覚で店内を楽しむことができます。




中でも、インテリアの商品は幅広く展開されていて、イギリス人の暮らしや住まいに対しての関心の高さ感じます。

 

こちらはカーテンのフロアにあるカーテンレールやタッセルの売り場。バリエーション豊かに並べられた様子はインテリアの主役にもなりそうな存在感です。

 



そして一番多くの人で賑わっていたのは生地や手芸用品が売られている4階です。生地はもちろん、毛糸やボタン、ワッペン等、手芸好きなら1日中見ていられるような空間です。リバティプリントのその繊細で色彩豊かなプリント生地は、長い間多くの人々を魅了しています。沢山の生地が並ぶその美しさにわくわくして、多くの人は楽しそうにショッピングを楽しみゆったりとした時間が流れているように感じます。

 

リバティ百貨店には、ずっとそこに在り続ける貫禄とプライドが感じられました。時が流れる中で、新しいものを受け入れながら、変わらずに在り続けることは難しく、そして素晴らしい事だと教えてくれているようです。

 

最後に、こちらは現在のリバティ百貨店の様子。日本はまだ残暑が続いているようですが、こちらはもうすでにクリスマス仕様。先日バスで隣に座ったおばあさんが「イギリス人はクリスマスが大好きなのよ」と、話してくれましたが、ここまでとは・・・・。また、イギリスのクリスマス事情もゆっくりお伝えできればと思います。

 


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