プリント生地が出来るまで 第2回は「版とプリント(捺染)方法」について。
FIQが扱う
北欧生地やオリジナル生地では、アナログプリントが多く用いられています。
アナログプリントの場合、まず「版」をつくります。
版を彫るともいいますね。
基本的には1色1版となり、色数が5色の場合は5版必要。
版を使わない転写・昇華プリントなどもあるのですが、こちらは化学繊維の生地によく使われる手法なので、綿やリネンなどの生地ではあまり馴染みがありません。
アナログの「ペタペタ」と「コロコロ」
メッシュ地に色ごとの版を彫り、パネル状のスクリーン版にしてそれを押してプリント。
ペタペタが「スクリーンプリント」※注
シリンダーに色ごとの版を彫り、筒状の版にしてそれを回転させながらプリント。
コロコロが「ロータリープリント」
ペタペタとコロコロどちらを使うのか?
例えばこの柄ですが、ご覧のとおり変形のストライプです。
スクリーンプリントでペタペタとすると、版と版のつなぎ目はほとんどの場合「ズレ」ます。
プリントする相手は生地なので、伸びもすれば縮みもするし、歪みもするのです。
なので間違いなく「ズレ」ます。
そんな場合は?
そう、ロータリーのコロコロです。
回転している版の間を生地が通るので、つなぎ目が出ません。
じゃあ全部ロータリーで って訳にもいきません。
ロータリーの場合スクリーンより生産性が高くシンプルな柄は得意なのですが、色数(版数)の制限が多く、繊細な表現が得意ではありません。
一方スクリーンの場合はロータリーより色数(版数)をたくさん使えるので、より繊細な表現も可能になります。
なので本当に一長一短。
デザイン・色数・柄の大きさ・生産数・キバタの素材・加工場の設備などなど、全ての条件を総合的に判断し、スクリーンとロータリーどちらにするか決めるのです。
しかし、海外のプリント生地の場合「この柄をスクリーンで刷る?」ってのもよくあり、正直「ズレ」まくってます。
でも、ある意味それが「味」であったりもするわけなんですよね。
生地ですから。。
重色(重版)という手法もあります。
意図的に版と版を重ねることにより、重なり合った部分に新たな色を生み出すことが出来ます。
奥行きのある、作り手独自の感性が生地に表れ、深みや味がでます。
でも、「もっともっと色数を使いたい!」「でかい柄にしたい!」
そんな場合こそ最先端技術の出番。
次回は「デジタルプリント」のお話です。
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※注 機械でプリントするのは「オートスクリーン」 手でプリントするのは「ハンドスクリーン」と呼ばれます。
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