“布”というキャンバスに描かれるのは、作り手たちの無限の美学。
限りなく広がる美しき模様は、幾重にもかさなり、見るものに至上の歓びをもたらすでしょう。
歓びの担い手たちとそれを求める者たちが出会い語らう、“布“にまつわるすべての歓びが集う場所。それが「布博」です。
布博公式サイトより
東京の調布市にある
手紙社さん(お店は手紙舎)が、テキスタイルとそれにまつわる作家の合同展示販売会「布博」というイベントを開催しています。
2016年ですでに6回。回を重ねるごとに認知され、今年は出展者92組 1万人近くが来場しました。
2013年の第一回が出展者40組、来場者数約2500人だからとんでもない伸び率です。
ファッションや雑貨と違い、なかなか自分たちの作品を発表する場のないテキスタイルデザイナーにとって、このイベントの価値はとてつもなく大きいし、既に認知されメーカーやブランドと仕事をしているデザイナーにとっても、実際に来場者=ユーザーや志を同じくする仲間とコミュニケーションがとれる布博は、非常に意義と刺激のある催しです。
比較的近しいイベントでは
日本ホビーショーや
東京国際キルトフェスティバルがありますが、規模や集客という点では遥かに及ばないものの、若さや作家性という意味では布博がダントツ。
点と線の岡理恵子さんやカウニステさん等々、お世話になってるクリエーターさんが出展してらっしゃるので毎年おじゃましてますが、何のご縁かイベントの度に偶然出くわすコッカのIさんとも「普段からこれくらいマーケットが盛り上がったらなあ」などと呟いてしまうほどの会場の熱気。
この
手紙社さんという会社、ウェブページには
手紙社は編集チームです。現在、「店舗の運営」「イベントの企画・制作」「本の編集・執筆」の3つの事業を柱にして業務を遂行していますが、自分たちの中ではさほど明確な区分をしていません。自分たちが「ワクワクするかも」と感じたサムシングを、自分たちにしかできないやり方で編集し、よりワクワクしてもらえるようなパッケージにしてお披露目する。それが、私たちのしごとです。
と自己紹介されてます。
布博も当日の運営はボランティアさんを募るなどして経費を圧縮し、出展者の懐事情を十分すぎるほど考慮した費用設定で、編集長のFさんとお話しても、ビジネスではあるけど「やりたいこと」を優先するという心意気が伝わってきて、ある意味感動さえ覚えました。
来年も2~3月に京都と東京で開催されると思いますので、部外者のわたくしが言うのもなんですが、是非とも足をお運びください。
布を愛する作家とスタッフさんに出会える、最高のイベントです。
前略 手紙社さま
こんなに素敵なイベントを開催してくださり、テキスタイル業界にぶら下がる者として心より感謝申し上げます。草々
追伸
2018年11月、ついに海を超えて台北で開催。そして翌年1月には東京開催が実に12回目を迎えたそうな。毎年のように来場者数を更新する布の一大イベント。
お元気そうで何よりです。