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【コラム】人をダメにする一歩手前のクッション

2018/08/01

【コラム】人をダメにする一歩手前のクッション


ウェブサイト上でユーザーの欲しいものをユーザーの意見を聞きながら商品化するというプロジェクト「空想生活」をきっかけに、無印良品さんとエレファントデザインさんが共同開発した「体にフィットするソファ」が、2013年 約10年振りに再ブレイクしました。これ以降、ニ○リさんはじめ色んなメーカーさん小売店さんから近しい商品が発売されているようですが、元はと言えば2000年代初頭に発売から2年で約700万個販売した伝説の商品、エビス化成さんのMOGU(モグ)シリーズがベースになっています。


極小のパウダービーズをストレッチ素材で包むという発想はとても斬新で、元々家電商品の緩衝材に使う発泡スチロールを製造していた同社社長が、海岸の砂にヒントを得て開発されたそうです。残念ながら2005年に負債総額46億円で自己破産申請となりましたが、現在は株式会社MOGUとして見事に復活を遂げられています。あの技術と発想がなければ、無印さんの「体にフィットするソファ」もYogibo(ヨギボー)も、もしかすると存在しなかったかもしれませんね。


ありがたいことに当社のクッション中材(ポリエステル綿)は、年間販売数2万個のロングセラー商品ですが、内訳は45×45cmが圧倒的。もっと色んなカタチやサイズのクッションがあったらと思っても、なかなかカバー自体が流通していませんし、このところの物流費アップで大きなものは避けたいのが本音です。でもテトラに座っているとそのホールド感に「やっぱり大きなクッションっていいなあ」などとついつい妄想を膨らましてしまい、結局開発に進むことに。。。

上述の「ダメにする系」がなんとなーくピンとこない我々は、インテリアとしてもアリなデザインで「人をダメにする手前のクッションとはなんぞや」と考え、まず生地としては表情に乏しいストレッチ素材を排除してみました。そうなると中材はビーズである必然が無くなります。そこで音鳴りのないしっとりしたクッション性と、綿(わた)にはない耐久性を合わせ持つソファの主材料「ウレタン」を粉砕し、クッションというフレキシブルなアイテムに適した状態にして満たしてみると、これがビンゴ。MOGUのような発明的商品ではありませんし、テトラのように実用新案登録出来るほどの特徴も見当たりませんが、

●ソファのように大きくて、寝ても座っても、もたれかかっても適度に気持ちいいクッション。

●カバーの素材や色柄が豊富で、インテリアのアクセントになるクッション。
 
我々の自己満足の延長線上に、色んな方々のご協力が交差し、やっと自分が欲しいと思えるクッションが出来上がりました。
 


ちなみに「人をダメにするクッション」は既に商標登録されているらしいので、「人をダメにする一歩手前のクッション」で申請してみるのもアリかな、いや無理だろう。。などと恥ずかしいことを考えながらこのコラムを執筆中。



 


画像は冒頭でご紹介したプロジェクト空想生活から生まれた傑作「CIGARRO PC」。ステンレスの本体とディスプレイが一体化されたミニマルなデザインは、ナイキ原宿店やユニクロの世界旗艦店を手がけるインテリアデザイナー片山正通氏によるもの。2001年に39万円で発売されました。当時TIME&STYLEさんに展示してあった実機を見て、あまりのかっこよさに震えた記憶があります。