「~生地ができるまで」シリーズ。
今回は織で柄を表現する手法、ジャガード織について。
この名前、ありがちな由来ではありますが、フランスの発明家ジャカールさんによって発明された織機をジャガード織機と呼ぶようになったそうです。
その織機で織り上げる生地をジャガード生地(織り)と言います。
ジャカール。
ジャカール織機。。
ジャカール織り。。。
やっぱり「ジャガード」の方がしっくりきますね。
ただ聞きなれてるだけでしょうか?!
まず柄が決まれば「紋紙(もんがみ)」を作ります。
プリントテキスタイルでいう「版」みたいなものです。
「版」を見ると何となく柄はわかりますが、「紋紙」を見ただけでは柄は一切わかりません。
「紋紙」と平行して「糸染め・整経」を行います。
プリントテキスタイルの場合は「
キバタ」という無地の生地に柄をプリントしますが、ジャガードの場合は織物ですから、糸染めから始まります。
染めが終わると糸の長さや本数、張力を整えます。
これを「整経(せいけい)」と言います。
「紋紙」「糸染め・整経」が終わり、機(はた)に紋紙がセットされ糸が乗り、機が動き出します。
ジャガード織りは紋紙の情報により縦糸が上下し
柄が表現されます。
紋紙の穴が開いてるところを「トン」とすると
「トン・トン・まーえ・トン・トン・まーえ」
「トン」で縦糸が上下し「まーえ」で縦糸が止まる。
すなわち縦糸の動きとしては「上下・上下・休み・上下・上下・休み」
どうでしょう? お解りいただけますでしょうか??
例えがややこしい!?
要は0と1の信号を送って縦糸を操作し、柄を表現しているのです。
このジャカールさんの発明は後のコンピューターの歴史上で、もっとも重要な発明だったそうです。
最近では機屋さんによってこの紋紙の情報を電子化し、コンピューターデータを用いた電子ジャガードが主流になってきました。
ガシャンガシャンとリズミカルに機が動き
少しづつ柄が見え生地が織り上げられきます。
プリントテキスタイルほど色の表現は得意ではありません。
柄を表現するにあたって制限が多いのです。
しかも生産に時間がかかり割高です。
ただ織物生地としての特徴を、見て、触って、ダイレクトに味わえるのがジャガード生地だと思います。
いかがでしょうかジャガード生地。
ぜひお手に取って、縦糸と横糸が織り成す「織柄」をお愉しみください。
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