「マルチカバー」「マルチクロス」「フリークロス」etc、呼び方は数あれど、要するに 4辺を縫った1枚の布。
ある時はソファーに掛けてソファーカバー
ある時はベッドに掛けてベッドカバー
またある時はテーブルに掛けてテーブルクロス
またまたある時はクリップランナーを使って目隠しやカーテン
確かに、その名の通りマルチな活躍です。
テーブルクロスを日常的に利用する文化が根付いたヨーロッパでは、生地のミミを活かして縫製さえしない方も結構いらっしゃるようで、お料理やゲストに合わせ、皆さん複数枚お持ちのようです。
生地屋冥利に尽きますね。
ただ、その用途によって柄方向(柄の向き)には気をつけなければなりません。
FIQでは柄方向を分かりやすく指定できるように、敢えて「
ベッドカバー」「
ソファーカバー」「
テーブルクロス」と、ページを分けるようにしています。
ちょっと迷うのが
テーブルクロス。
仮にテーブルのサイズが幅180cm 奥行80cmで、選んだ生地の幅が150cmだとすると、長手から見て柄をテーブルの幅方向に出したいなら問題ないのですが、
柄をテーブルの奥行方向に出したいなら
となり、150cm幅の生地ではテーブルサイズに満たないので生地を継がなければなりません。
柄を優先するかスタイルを優先するか、悩むところですが、「上に物を置く」ことが前提のテーブルクロスですので、継ぎ目があるとどうしても平坦にはなりません。
もちろんお客様のお好み次第ですが、FIQでは費用面も考慮しなるべく継ぎが入らない仕様をお勧めしています。
ソファーカバーとしてご利用のお客様は、インテリアアクセントとしてだけではなく、ペットがいるから等の理由でソファーの汚れ防止とされている方も多いようです。
最近はカバーリングタイプのソファーも増えましたが、外せる洗えると言っても実際に脱着するのは大変だし、替えカバーがないとクリーニングの間、ヌードむき出しになってしまいます。
その点「1枚の布」仕様のソファーカバーなら掛けるだけなのでお洗濯も簡単。
ソファー全体に掛けるとなるとどうしても幅継ぎが必要になりますが、座面と背もたれだけカバーできればという方なら3人掛けでも幅継ぎなしで大丈夫です(生地幅150cmの場合)。
ベッドカバーとしてご利用のお客様は、ソファーカバー同様ペットの汚れ防止や「リビングにベッドが置かれている」ワンルーム、子供部屋(お友達が部屋にくるからですかね)のように、布団の目隠し用途も多く見受けられます。
ホコリが溜まりやすい布団カバーですが、脱着は結構面倒。だったら普段はベッドカバーで包んでしまえばお洗濯も簡単って、結構納得の利用法では。
最後に、
クリップランナーを使って丈サイズを調節しカーテンとしてご利用のお客様は、単にオーダーカーテンがもったいないと仰る方だけでなく、「布をかけるだけ」のシンプルスタイルにこだわりのある方がかなりいらっしゃいます。
テキスタイルデザイナーの鈴木マサルさんも、ご自宅のカーテンはカーテン縫製したものでなく、生地のミミを活かしたマルチカバーを掛けて使ってらっしゃるとのこと。かっこいいですね。