多摩美の学生さんたちが、また面白いことをやったみたいです。彼らの言葉と画像を、プレゼン資料から
敢えてリライトせずに原文のまま掲載いたしました。伝わる熱量を感じながらご覧ください。
テキスタイルパフォーマンスとは、多摩美術大学生産デザイン学科テキスタイルデザイン専攻の3年生が中心となって、映像、舞台、衣装、演出すべてを創り上げ、人とテキスタイルの魅力を伝える、ファッションショーでも演劇でもない、新たなテキスタイルの可能性に挑戦するパフォーマンスです。
私たちテキスタイルパフォーマンスは今年で40周年を迎えました。代々先輩が引き継いできて、40年目になりました。例年は、11月に行われる大学の芸術祭での舞台でのパフォーマンスを行なっていましたが、コロナ禍ということから、今年度は〝どこでも見れるテキパ〟を目指し、2022年3月20日から動画配信にて公開しました。400円の本編映像と無料のメイキング映像の 2本立てです。本編映像 ( 有料)はチケットを買った人のみが視聴できる Vimeo 配信プラットフォームで公開しています。
https://vimeo.com/ondemand/tekipa2021
今回のテキスタイルパフォーマンス 2021 KASANE は環境問題に目を向け、布を作るプロセスにフォーカスしました。世の中で起きている大量生産・消費は、人の手から離れた場所で布が作られる様になった為に、その布への思い入れや慈しみの心、自然への敬意が直接感じられなくなった為に起きた事だと考えました。” 布を作る行為 = 密接な自然との対話 ” とし、そのプロセスにフォーカスした映像作品を作りました。自らの手を離れた布を使う現代の私たちも、その過程を知り、テキスタイルを慈しみ、自然と調和しようとする心を持つことができれば、現代の環境問題も、少し好転するのではないかと考えました。
使う人、作る人の双方の布に対する心の在り方を変え、見た人が布に対して愛おしいと思ったり、自らも自然のサイクルの一部であると感じ、結果的に環境へのポジティブな意識変化が生まれることを願っています。
▲ 画像はご提供いただいた素材
実際にいくつかの織物工場の方々から、残布や残糸を頂き、衣装や舞台美術を制作しました。写真は、織り耳と呼ばれる、織物の両端にある、ヨコ糸が抜けないよう縦糸を抑える役割を果たすものです。織り終わったら耳はその役目を終えるため、焼却処分してしまいます。そのように役目を終えて、普段は捨てられてしまう布や糸を頂き、衣装や舞台美術として生まれ変わり、布や繊維が色や形を変えるところに注目して頂きたいです。
▲ 画像は新木場の会場での撮影
▲ 画像は新木場の会場での撮影
▲ 画像は奥多摩での撮影
映像配信にあたり、さまざまなロケーションでの撮影を行いました。
新木場の会場では、照明、音響の学生に協力してもらい、演出に合わせたライティング、舞台美術も入れて、丸二日間撮影を行いました。ほぼ全員が映像作品制作が初めてという中、武蔵野美術大学の映像チームの協力のもと、動画を公開することができました。
テキスタイルパフォーマンスとしては初めての映像公開ですが、いかがでしたでしょうか。3月31日(木)から4月3日(日)まで実際に使用した衣装、撮影の様子の展示、物販販売などを行います。デザイン・フェスタ・ギャラリー原宿 WEST1-C にて開催いたします。詳細等はテキスタイルパフォーマンス 2021 のインスタグラムをご覧ください。たくさんの方のご来場お待ちしております!